本格数寄屋造りの2世帯住宅
既存のおばあちゃんの部屋を残して建て替えた2世帯住宅の増築工事です。東西に長い敷地を最大限に使い、既存の庭を活かしながら建てた本格数寄屋(すきや)造りの家は、車庫も一体になっています。
- 定年退職後にのんびり気持ちよく過ごせる家にして欲しい
- 人寄せがあるので和室と広いリビングの続き間が必要
- 小さくてもいいので中庭を眺められる書斎が欲しい
内観1 吹抜け
広いリビングに薪ストーブと太い丸太梁(まるたばり)が空間のポイントです。書斎コーナーの奥には中庭があり、リビングから四季の変化を 楽しめます。
足ざわりの優しいモミは、淡い色合いで広い面積に使っても嫌味がありません。
内観3 招く
廊下の幅を広く取り玄関ホールと連続させ、訪ねてきた人が腰かけてくつろげる縁側のような趣を持たせました。
リビングを通らず玄関から直接和室に入れるようにし、急なお客様にも対応できる間取りにしました。
構造 | 木造平屋建て |
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広さ | 4LDK+和室+書斎+車庫 |
家族構成 | おばあちゃん(80代)・ご夫妻(60代)・子ども1人 |
設計期間 | 平成17年7月~平成17年10月 |
施工期間 | 平成17年11月~平成18年6月 |
数寄屋(すきや)造りで人寄せの機会が多い家という条件をクリアーしながら、いかに住みやすく使いやすい家にできるかに挑みました。
小屋裏も含め納戸などの収納場所はたっぷりもうけました。
木製建具や木製面格子はメンテナンスが大変だと敬遠されがちですが、「オスモ塗装」と深めの庇とで雨を防げば手入れの必要はありません。
「オスモ」とは植物由来の原料からできた自然塗料で、水は通さず空気を通すので木製品が長持ちします。また安全性が高く経済性にも優れています。
モミ材は軟らかく傷つきやすい難点はありますが、「うづくり」仕上をした板は木目が美しく浮き出て傷が目立ちにくくなります。少し硬めの木目と薄い色の軟らかい部分のデコボコが足裏に気持ちよく滑り止め効果もあります。
「うづくり」とは木材の軟らかい部分を磨いてそぎ落とし木目を浮き上がらせる仕上げです。
薪(まき)ストーブのおかげで寒い冬を快適にすごせています。
大型犬が室内にいるので、せっかくの無垢(むく)のモミ床板が傷ついてしまいましたが、夏場もじっとりしなくてワンコも人も気に入っています。