空中廊下のある幼稚園
変形した狭い旧園舎の敷地と隣接する高台の土地を活かすために、空中廊下で園舎と遊戯室をつなぎました。向こう側に見える木は樹齢500年のクスノキです。森に囲まれた幼稚園に見えますが、実は全て裏にある神社の木々です。廻りの環境や地域に溶け込んだ夢のある幼稚園にするためにも空中廊下はとても意味があります。
建物外壁のシャボン玉は保育室や階段にも取り入れて、のぞきこんで遊んだり、光が通り道になったりと楽しいアクセントになっています。
- 幼稚園を運営しながら建物を建てて欲しい
- 敷地が狭く高低差があるが、有効に使った計画をして欲しい
- 少ない予算を最大限に有効活用して欲しい
- 3階建てにはしないで欲しい
- 耐震をはじめ、園児にとって安全な建物にして欲しい
外観1 空中廊下と保育室棟
空中廊下が保育室棟と遊戯室をつないでいます。空中廊下は、暑さ寒さを感じクスノキのざわめきから四季を感じられる場所です。遠目には高さを感じますが、神社と同じ高さなので歩いてみると気持ちの良い廊下です。
夜景1
夜景2
四季折々の樹木の変化から、園児たちに四季と自然と歴史を感じとってもらえたらと思います。
シャボン玉2
時間によって変化するシャボン玉のシルエットがずれたり重なったりして外壁の変化を楽しめます。時間によってはシャボン玉が2倍になって華やかさが増します。
遊ぶ2 園庭2
枕木の階段をのぼって坂道を走り下り、園舎をぐるっと回るのが子供たちのお気に入りです。ひとりが始めると追いかけるようにその場にいる子も駆け出します。狭い敷地ですが段差をつけたことで、思わぬ運動効果がありました。
遊ぶ4 保育室2
構造 | 鉄骨2階建て |
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敷地面積 | 1413.55㎡ |
延べ床面積 | 800.01㎡ |
部屋構成 | 年少・年中・年長各2クラス+預かり保育室+遊戯室 園児数 180名 |
設計期間 | 平成23年6月~平成24年3月 |
施工期間 | 平成24年4月~平成25年3月 |
- 夢が広がり、通いたくなる幼稚園
- 地域に開かれた自然を感じる幼稚園
- 四季折々の変化を感じられる幼稚園
- 遊びの創造と発想を広げられる園舎と園庭
- 神社や地域の歴史や文化を肌で感じられる
シャポン玉のポリカーボネイト
耐候性・耐強度・メンテナンスフリーを兼ね備えた素材です。ボールが当たっても台風にも耐えられます。また、透光性があるので、光を通した影の変化する面白さを狙って使用しました。園児の手が届かないように設置しましたが、ぶら下がるようなことがあっても折れないようにステンレスのパイプで壁に打ち込んであります。空を自由に飛ぶシャボン玉のイメージ通りに表現できたと思います。
平板スピーカー
浜松のベンチャー企業ライト・イア
箱型スピーカーと寄り振動が少なく音質がクリアで軽量薄型であるうえに、一定方向に音が届きます。住宅地に建つ幼稚園なので、近隣への配慮のために空中廊下に採用しました。また、遊戯室の壁にも仕込み行事の際に活用します。
ライト・イア様のホームページに幼稚園のスピーカーが紹介されています。
- 広々と開放的で明るい保育室になりました。可動間仕切りを全開・半開・閉じる等、その場に応じて一部屋を何通りにも使える汎用性が便利です。
- 子供たちは、園舎の周りから斜面のある園庭まで回遊して敷地全体で遊んでいます。敷地の隅々まで安全に遊べるので、狭さを感じません。
- 広い廊下も子供たちの格好の遊び場になり、クラスの区別・年齢の区別なく交流が深まりました。
- 室内の丸窓は子供が遊ぶだけでなく、保護者がこっそり様子をうかがったりと予想外の活用もしています。
- 以前は園舎で見えなかった神社の森が大きく見えて気持ちまでのびのびします。