建具で自由に間仕切る家
終の住み処(ついのすみか)として建てた、壁が少ない平屋の家です。白い外壁によろい張りの腰壁と、軒(のき)を広く張り出した瓦屋根(かわらやね)が特徴的です。高さを抑えた外観とは違い、屋内は越屋根(こしやね)部分まで吹き抜けた開放的な空間になっています。大きな丸太の梁(はり)や内装だけではなく木建具までも無垢(むく)の木を使ったオリジナルです。太陽の光と風が家じゅうをめぐる、夏涼しく冬は暖かい家になりました。
- 夫婦で老後をゆったりと過ごす終の住み処(ついのすみか)にしたい
- 子供や孫の訪問時に和気あいあいとくつろげる広いリビングが欲しい
- 夏涼しく冬寒くない家にしたい
- コーヒーをゆったりと飲んだりひなたぼっこができる広いデッキが欲しい
外観4
以下の内観写真撮影:鈴木慎二/タクミフォート
内観8
耐水性・耐湿性が高く肌触りが柔らかいさわらの木の浴槽。ふたや腰掛もさわらで作りました。壁板の青森ヒバは、水に強くカビや雑菌への抗菌・殺菌作用の高いので、お手入れが楽で香りで癒される浴室になりました
構造 | 木造平屋建て |
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広さ | 44坪 4LDK |
家族構成 | ご夫妻(60代) お母様 |
設計期間 | 平成27年11月~平成28年2月 |
施工期間 | 平成28年3月~平成28年8月 |
お客様から終の住み処という要望でしたので、夫婦が別のことをしていても邪魔にならずに気配を感じて生活できることを考えました。また、心も体も自然体で健康に過ごせるように木に囲まれて住まえる家、孫たちものびのぼ飛び回れる家となるよう様々な提案をさせていただきました。
鎧張り(よろいばり)
上下の板を3cmほど重ねて下から貼っていく方法です。押縁(おしぶち)という階段状にカットした細い棒状の部材で、継目や端部などの隙間を隠したり板を押さえてあります。
越屋根
トップサイドライトと同じようなメリットがあります。高い位置の開口は熱気を上へ逃がし、柔らかな日差しが上から降るように差し込みます。
LDKが広いので冬の寒さが心配でしたが、昼間の日差しで取り込んだ部屋は夜になっても思いのほか暖かです。夏場はエアコンをほとんど使わない『涼しくないけど暑くない・暖かくないけど寒くない家』を電気を使わずに実現できています。